レプリソーム グッズコラム

Vol. 5 レプリカ・スウィングマン・オーセンティック 前編

はじめに
本来は、シリコンバンドについてをお届けする予定でしたが、1つ飛び越して、よくご注文の際にご質問いただきます 各種NBAジャージの違いについてお届けしたいと思います。


各ジャージの比較

インディアナ・ペイサーズのジャージを3着用意してみました。背番号(#31、#7)以外で、これらのジャージの違いは何だと思われますか?。
左から、レプリカジャージ、スウィングマン+2ジャージ、オーセンティックジャージ(全てReebok社)になります。
これらの通常の価格は、

 レプリカジャージ  :7875円
 スウィングマン+2 :13440円
 オーセンティック  :25000円以上

ですが、他に何が異なるのか、その造りに着目したいと思います。

レプリカジャージ構造の歴史
以前より公開しております、「ジャージサイズ表」でもご紹介しておりますが、レプリカジャージのメーカーがChampionからReebokに変わって以来、生地のデザインが「肩幅広」で統一されました
それまでは、上のスウィングマンジャージやオーセンティックジャージのように、各チームのデザインにあわせ、タンクトップタイプ・肩幅広タイプを作り分けて生産していました(上の3着のジャージをご覧いただいてもおわかりになるかと思います)。元々、肩幅広のデザインだったチームに関しましては、特に変わりはありません。
下にデザインが変わった例、変更がなかった例をあげてみました。
幅広にデザインが変わったケース

現行 肩幅広
Reebok
Tダンカン

タンクトップ型
Champion
Tダンカン

現行 肩幅広
Reebok
Kハインリック

タンクトップ型
Chempion
Mジョーダン
デザイン変更なしのケース(もともと幅広)

現行 肩幅広
Reebok
Yタブセ

旧 肩幅広
Champion
Jキッド

現行 肩幅広
Reebok
Aアイバーソン

旧 肩幅広
Champion
Aアイバーソン

※アイバーソン選手、タブセ選手の2点は、サイズの異なる物同士を比較しております。


ジャージ各種の基本構造
 TVで選手が着用している物を見ても、一般に販売されているジャージをみても、共通する特徴は、基本の構造が生地に背番号やチーム・選手名がくっついて出来ていることです。

 そこでジャージを、の図のように生地と各構成部位とに色分けして比較したいと思います。尚、文字(チーム名・選手名・背番号)の素材や、生地への接着方法を比較した場合、3つのジャージ間(レプリカ・スウィングマン・オーセンティックジャージ)では異なっていますが、各々のジャージ内においては、素材も接着方法も全く同じであるため、今回は選手名を比較対象にしています。


画像:Reebok スウィングマンジャージ+2
(レジー・ミラー選手 ホームLサイズ)

1.ネックタグ
 このタグは、全ジャージ共通で付けられています。
レプリカジャージの物で、左の物は04-05シーズンまでの1つ前のデザインです。現在では、NBAロゴが入った黒い大きなタグ(レプリカ右・スウィングマンおよびオーセンティック)で統一されています。サイズ表記ではレプリカ、スウィングマンがアルファベットの「M・L・XL」に対し、オーセンティックジャージの物だけ、小さく数字(インチ:inch)で表記されています。
また、ペーパータグが付けられる箇所でもあるため、時折、それが引っ張られて生地からとれてしまい、失われる部位でもあります(古いジャージに時折見られます)。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ
2.NBAオフォシャル・メーカーロゴのタグ
 Champion社や他社でレプリカジャージが作られていた頃からの伝統デザイン。
必ずNBAオフィシャルロゴとメーカーのロゴが肩の部分に入ります。ただ、ここで注意したい点は、オーセンティックジャージには、メーカーロゴがないことです。みなさんも、実際にNBA選手が着用しているジャージを雑誌やTVなどで、目を凝らしてよく見てみて下さい。Reebok社のロゴタグは入っておりません。
些細なことと思われがちですが、オーセンティックジャージはここまで再現性にこだわっていると言えます。
 また、レプリカジャージやスウィングマンジャージは、あくまで「オフィシャルメーカーが作った実使用と同じデザインのレプリカ商品(ファンのための復元製品)」として生産されるため、必ずNBAオフィシャルロゴのタグ、メーカーのタグが取り付けられることになります。そのため、これらが付いていないレプリカジャージやスウィングマンジャージは、NBA非公認商品と見なされますのでご注意を。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ
3.襟元
 各ジャージの襟中央です。
以前からブルズのジャージのような丸首が主流でしたが、最近では76ersのようなVネックタイプでワンポイントが中央に入ったり、ラプターズや今季(05-06シーズン)のペイサーズのような、ポロシャツのように襟を中央でとめていないデザインもあります。下の画像の通り、昨季までのペイサーズのジャージは、襟の中央がYの小文字「y」のようになっていました。
レプリカではVの字のようになっておりますが、スウィングマン、オーセンティックではきちんと再現されております。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ
4.サイドライン
 3つの画像を見比べると、レプリカジャージだけ若干異なっていることに気がつきます。
白い生地と黄色い生地の間に、タテに走っている太いネイビーのラインがありません。
スウィングマンジャージ、オーセンティックジャージには生地に直接、ネイビーのラインが別の生地で縫い付けられています。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ
5.生地
 どのジャージにおいても、タテに何本も走るネイビー色の細いラインは生地に直接染めつけられています。
レプリカジャージはナイロンメッシュ生地です。ほぼ同じ倍率にも関わらず、メッシュ穴の大きさが他の2つに比べて、小さく非常にきめ細かに入っていることがわかります。またナイロン独特のテカつきがあるのも特徴です。

一方、スウィングマンジャージはポリエステルメッシュ生地で出来ています。レプリカジャージよりもメッシュ穴が大きく、目を凝らすと生地の織り目まで見えます。オーセンティックジャージ(≒実使用)にも同じ生地素材を採用してい用いるチームが多いため、より選手が着用する実使用の物に近い仕様になっております。また、手触りはレプリカジャージと異なり、ザラザラしているのも特徴です。

オーセンティックジャージは、同じチームでもホーム・アウェイ・3rd(現オルタネート)の種類ごとに生地の素材が異なる場合が多く、今回は偶然にも、スウィングマンジャージと同じ生地素材でした。見た目はほとんど変わりませんが、オーセンティックジャージの方がメッシュ穴がきめ細かに入っています。また、触った感じではオーセンティックジャージ生地の方が厚手に感じられます。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ
6.サイズタグ
 ジャージに向かって右下にあります、サイズを示すタグです。
Reebok社に移行してから、統一感が出てきました※1。ただ、やはりちょっとずつ異なった点があります。

レプリカジャージのタグには、NBAオフィシャルロゴ・サイズ・メーカーロゴしかありませんが、スウィングマンとオーセンティックジャージの物には、チームのロゴマークが加わり、サイズ表記が数字(inch:インチ)になっております。

更にスウィングマンジャージでは、「LENGTH+2:丈が2inch長い」のタグが加わり※2、サイズ表記はM・L・XLのアルファベット表記になっております。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ

※1
移行前は、レプリカジャージはChmpion社、スウィングマンジャージはNIKE社(最初は通常の丈の長さのスウィングマンを、のちにスウィングマン+2を生産)、オーセンティックジャージは各チームで生産契約メーカーが異なっていました。

※2
当時、スウィングマンジャージのオリジナルメーカーはNIKE社でしたが、途中から長さが2インチ(inch)長いスウィングマン+2ジャージを生産するようになりました。現在、Reebok社がそのデザインを引き継いでおります。
7.裾のつくり
 裾のつくりも三者三様です。どの位置をどの方向から見ているかにつきましては、下の画像をご参照下さい。

レプリカジャージは、Tシャツのようにフラットなのに対し、オーセンティックジャージは裾が前後に分かれており、より選手が着用している物に近い作りとなっています。

ここでも特徴的なのはスウィングマンジャージです。
丈の長さが前後で異なり、裾の作りが互い違いになっております。後ろがやや長くなっており、これはファッション性を重視してのデザインと言われております。このデザインはReebokに移行してからの物です(NIKEのLENGTH+2デザインは、前後ともに同じ長さになっています)。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ
8.選手名・チーム名・背番号
 各ジャージでは、選手名・チーム名・背番号は全て同じ仕様で作られています。
異なる選手のジャージ同士を比較しているため、背面の選手名「MILLER」と「O'NEAL」とから共通の文字である『E』に着目して、比較を行なってみたいと思います。

<レプリカジャージ>
Eの文字の本体はラバーのプリントです。
Tシャツのプリントと同じような仕様ですが、Tシャツの物よりも厚く、しっかりと圧着されています。黄色い線で縁取られたネイビーのEの文字が、ひと塊となって生地にプリントされております※3

<スウィングマンジャージ>
Eの文字本体はパッチで出来ており、圧着ではなく縫い付けられています。
パッチはEの形に模られた一枚板で、ネイビーとイエローの箇所が、塗料でそれぞれ着色されることで、イエローで縁取りされたネイビーの文字が表現されています

<オーセンティックジャージ>
Eの文字自体は、スウィングマンジャージと同じくパッチですが、構造上大きく異なる点があります。
完全二層です。
黄色いEの形をしたパッチの上に、ひと回り小さなネイビー色のE形をしたパッチが重ねて縫い付けてあります。そして、縁として現れた黄色いパッチの部分を、生地に黄色い糸で縫いつけてあります。

※3
色と大きさの異なる2つのEの文字が重ねてプリントされているのか、縁取りした1文字がプリントされているのかは不明。

レプリカジャージ

スウィグマンジャージ

オーセンティックジャージ

と、上までの説明だけでは把握しづらいので、イメージ図でご説明したいと思います。
ただ、あくまでイメージを掴んでいただくための物ですので、おおよそ下記のように商品が作られているとご理解下さい
あらかじめご了承を。
レプリカジャージ


生地と“MILLER”の
圧着用のラバーを用意する


熱によるプリント圧着


完成
スウィングマンジャージ


Eの形のパッチワークを作る


塗料による黄色とネイビー色の着色


完成
オーセンティックジャージ


大きさの異なる黄色と
ネイビー色のパッチを作る


黄色のパッチにネイビーのパッチを重ねて縫い合わせる


完成



横からは右の図のように
重なったパッチが見えるはずです

前編はここまでです。後編では、もう少し違った角度から比較を行なってみたいと思います。

再編集内容
● チーム名・選手名・背番号の素材や生地への接着方法を比較した場合、3つのジャージ(レプリカジャージ・スウィングマンジャージ・オーセンティックジャージ)は異なっていますが、1つのジャージの中においては、それらは全く同じであるため

文字(チーム名・選手名・背番号)の素材や、生地への接着方法を比較した場合、3つのジャージ間(レプリカ・スウィングマン・オーセンティックジャージ)では異なっていますが、各々のジャージ内においては、素材も接着方法も全く同じであるため

● 実際にNBA選手が着用しているユニフォーム → 実際にNBA選手が着用しているジャージ

● オフィシャルメーカーが作った実使用のレプリカ商品(復元品) → オフィシャルメーカーが作った実使用と同じデザインのレプリカ商品(ファンのための復元製品)

● 以前からブルズのユニフォーム → 以前からブルズのジャージ

● 昨季までのペイサーズのユニフォーム → 昨季までのペイサーズのジャージ

● オーセンティックジャージの物には → スウィングマンとオーセンティックジャージとの物には

● おおよそ下記ご説明通りに → おおよそ下記のように

● 生地と“MILLER”のラバープリントを用意する → 生地と“MILLER”の圧着プリント用のラバー

● ネイビーのEの文字がイエローのラインに縁取りされています。 → ネイビーとイエローの箇所が、塗料でそれぞれ着色されることで、イエローで縁取りされたネイビーの文字が表現されています。

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